音ゲーマーに聴いてほしいSUPER EUROBEAT n選

1980年代初頭からHi-NRGというジャンルがそこから独自の発展を経て、1990年代~2000年代前半まで一世を風靡したEUROBEAT。その旋風は音楽ゲームにも影響を与えました。

当時流行したジャンルをいち早く取り入れることに定評のあった音楽ゲーム「beatmaniaIIDX」。

当時Dancemaniaとの強力なタイアップで、ハイエナジーやバブルガムダンス、ユーロダンスを中心としたダンスポップを多数収録した「Dance Dance Revolution」。

そして、その名の通りパラパラを題材とし、avexとの強力なタイアップで当時流行したユーロビートを余すことなく収録した「ParaParaParadise」。

数々の音楽ゲームも、ユーロビートの流行に追従する形となったのです。

しかし、年月が経つにつれ流行は移り変わり、いつしかユーロビートは時代遅れの音楽と称されることになりました。上に挙げた音楽ゲームも流行を考慮したのか、ユーロビートはおまけ程度で収録される、あるいは収録されないことが大半になり、トランスやハードコア等がメインで収録されるようになりました。ParaParaParadiseに関しては、2001年に稼働した「2ndMix」が事実上最後のバージョンとなりました。

しかしながらユーロビートというジャンルの曲の量産が途絶えることはなく、国内の長寿シリーズコンピレーション「SUPER EUROBEAT」は松浦勝人(現avexの取締役会長)氏の「たとえ売り上げが1枚になったとしても出し続ける」という信念の元、ナンバリング作品は250作目を達成、現在でもナンバリング作品ではないものの新曲収録盤が年に1~2枚出る程度でリリースが続けられています。

Dave Rodgers氏やMauro Farina氏、Bratt Sinclaire氏など、シリーズ開始から曲の制作にかかわってきたイタリアの作曲陣も、例外はあるもののそのほとんどが現役です。ここ最近特にアクティブなのがDave Rodgers氏で、氏の楽曲「Deja Vu」が世界のミームになっているのを公認しリメイク楽曲を製作したり、”Dave Rodgers Music”という自信のレーベルを創立し、”Dima Music”のDavid Dima氏と合同で楽曲を製作したり、DELTAやTIMEの名曲をカバーしたり、Daveのかつての妻であるDomino氏と息子のKAIOH氏と共演するなど、レーベルの垣根を超えた活動を積極的にこなす彼は、まさにSPACE BOYといっても過言ではないでしょう。今後の活動も楽しみです。

とりあえず聴いてくれ

というわけで今回は、「ユーロビートはまだまだいけるぞ」というコンセプトのもと、当時の音ゲーマー向けに刺さるような、当時の作曲陣が製作している曲をチョイスして紹介していこうと思います。

1.2.3.4.FIRE! / DEJO

1.2.3.4.Fire! / Dejo

SEB207収録。NIGHT OF FIREでもお馴染みのBratt SinclaireとMaurizio De Jorio(=NIKO)の鉄板コンビによるアグレッシブなユーロビート。NIGHT OF FIREのような変態的な音階のリフはないけど、和音を重ねて刻んだリフは堅実さがあり、曲中盤では転調もありで心情もFIREに満たされることは間違いないでしょう。

1.2.3.4.Fire! / Dejo -the making of-

また、YouTubeでは公式によるメイキング映像があり、彼らの音楽に対する情熱を垣間見ることができます。座ってあの歌声が出せるDejo氏が強すぎる……

BEAUTIFUL NIGHT / STEPHY MARTIN

SEB233収録。

SEB145収録、そしてbeatmaniaIIDX REDにも収録された「HARMONY」の流れを汲むような、Bメロ→サビの哀愁あふれるメロディとコード進行が特徴的。サビ後に堪能するギターによるリフは、聴く人の心をじわじわと揺さぶることでしょう。

DIMA MUSICの立ち上げ役でもあるコンポーザーのDavid Dima(本名:Davide Di Marcantonio)氏は、元々VIBRATIONというレーベルの下でいくつかの楽曲を製作していました。DDRではJUDY CRYSTAL名義やJOHN DESIRE名義などが有名ですね。

IT’S RAINING LOVE / LOLITA

Super eurobeat / Lolita / It's Raining Love

SEB234収録。トランス系の音色が強く、何といっても和音を刻んだ攻撃的なユーロリフが特徴的な曲です。Aメロ→Bメロの哀愁を経て、サビでアンセムの雰囲気を迎えたようにピアノが入るのも味があります。ヴォーカルは「ROMEO & JULIET」を歌ったLOLITAこと、Elena Gobbi Frattini氏。

彼女は元々A Beat-Cの所属でしたが、DOMINOことAlessandra Mirka Gatti氏と、A Beat-Cの主力コンポーザーであったSandro Oliva氏が独立して2006年にGoGo’s Musicというレーベルを設立。 Elena Gobbi氏もこのレーベルの主力ヴォーカリストとなりました。このレーベルは、トランス系の音色のユーロビートを作る傾向にあり、音ゲーマーとは相性が良いのかもしれません。

LOOKING FOR A SEXY BOY / LOL

Super eurobeat / LOL / Looking For A Sexy Boy

SEB233収録。バブルガムダンスのような軽快な音で繰り広げられるキャッチ―なユーロビートで(SEBリスナーがこれをユーロビートと捉えるかどうかはさておき)、普段はロックを意識したユーロを製作するBratt Sinclaire氏の意外な一面を垣間見ることができます。

DDRのバブルガムダンスブームがもうちょっと長く続いていたら、こういう楽曲も追加されるのかなあと思いました。そういえば、DDR X2ではSEBの楽曲を含め、avexの版権曲が大量に入っていましたね。

CHANGE YOUR TIME / MELA

昔からDDRをたしなむ方々であれば、そしてDancemania(特にSPEEDシリーズ)のリスナーであればみんな大好きであろう、SAIFAMという音楽会社の楽曲たち。そんなSAIFAMの傘下である、ユーロビート部門といえるレーベルがBOOM BOOM BEATです。略して3BやBBBと呼ばれます。

楽曲のほうは牧歌的なメロディにギター、そこに非常に王道でエネルギッシュな4つ打ちキックやシンセで彩られており、かつてのDancemania SPEED後期で披露してくれたスピードスタイルを見事に踏襲しています。かつてのリスナーであれば、リフを聞けばもう当時を振り返らずにはいられないことでしょう。特にオススメしたい一曲です。ユーロビートといえるかどうかは怪しい

こちらの曲はちょっと特殊で、元々170BPMとしてjunodownload等で配信されましたが、SEB233に収録される際はBPMを落としての収録となりました。SEBのほうはアレンジが加えられてるのかと思いきやそんなことはなく、本当にBPMを落としただけとなっています。どうしてそうなった。今回はSEBにも収録されているということで当記事で紹介しています。

NEVER GONNA MAKE / RADIORAMA

Radiorama – Never Gonna Make (Eurobeat Extended)

3Bからもう1曲紹介。こちらはSEB208収録。こちらもDDRやDancemaniaに触れたことのある方はタイトルにピンと来たのではないでしょうか。それもそのはず、この曲はかつてMORGANA名義でリリースされた同名曲をユーロビートでリメイクしたものとなっています。原曲は芯の強い感じのユーロダンスでしたが、リメイクでは3Bの遊び心が随所に散りばめられていて、聴いていて楽しい仕上がりに。ボーカルは原曲と同じものですね。

この頃の3Bは、SAIFAMが過去にリリースしたユーロダンスのリメイクに精力的で、SEB206ではIN MY ARMS(原曲はWildside名義の同名曲)が、SEB未収録枠ではHAPPY TOYBOYS(Cartoon)、BEAUTIFUL MAN(Radiorama、こちらはDancemania X2に原曲収録)のリメイクもありました。

TELL ME WHY / JUDY CRYSTAL

Judy Crystal – Tell Me Why (Extended Version) [Italo – Dance]

SEB未収録ですが、David Dima氏のスーパーなユーロビートなので紹介。

元々、Music Master.TVというサイトで2007年頃配信されていたものらしいですが、こちらのサイトは2009年に閉鎖。以降、この楽曲は海外限定で配信されています。

楽曲のほうは、同名義の楽曲「BABY LOVE ME」の展開と甘々なメロディーを見事に踏襲。先程紹介したCHANGE YOUR TIMEと同様、DDRを嗜む方なら、とてつもないなつかしさがこみ上げてくるはずです。

この曲がJUDY CRYSTAL名義でリリースされた事実上最後の楽曲となります。

Baby Love Me (Full Version) – Judy Crystal

ところで、BABY LOVE MEのあまりにも夢見がちなメロディーと展開は非常に秀逸だと個人的に感じていて、聴くたびにこれはあべにゅうなぷろじぇくとなのではないか……?と毎回思わされます。こちらの曲は2002年頃の作品、あべにゅうぷろじぇくとが立ち上がるより前のものなので、もしかしたらこの曲に多少は感化されているのではないか……?なんて思うとなんだか嬉しくなってしまいますね。真相はさておき……その手が好きな方々にも是非聴いてほしいです。

おわり

いかがでしたか。世間的にユーロビートの流行はすっかり過ぎ去りましたが、たとえ需要が極限まで低くなったとしても、リリースされる楽曲たちの情熱、すなわちFireとDesireは変わらずそこにある……のがEUROBEATです。皆さんもお気に入りの曲を探してみてください。

この記事は不定期に追記・更新する予定です。

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